
妊娠初期の腹痛
妊娠が判明した直後から腹痛に悩まされる妊婦さんも多くいます。
ここでは腹痛の症状や対処法について詳しく紹介しています。
妊娠初期の腹痛の症状いつごろから?
妊娠に関連した腹痛が起こる時期として、妊娠超初期と言われる早い段階からお腹の痛みを感じている人もいるようです。
妊娠超初期といえば、妊娠0~4週ぐらいの期間で、受精卵が子宮内膜に着床したころです。この早い時期から体調の変化を感じるママもいます。
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具体的な腹痛の症状
先輩ママの経験者から腹痛の体験談を聞いてみると
・生理痛のような鈍痛。
・引っ張られるような痛み。
・歩けないぐらいの激痛。
・歩くと響く痛み。
・車に乗ると腹痛になる。
・腹痛で寒気がする。
・刺すような痛み。
・脂汗が出るぐらいの痛み。
・冷や汗が出るぐらいの腹痛。
・左右どちらか片方がチクチク痛い。
・卵巣のあたりが痛い。
・おへその下を押すと痛い。
・子宮周辺の痛み。
・背中の痛み。
・股関節の痛み。
・腹痛と腰痛が一緒にいたい。
・くしゃみをすると痛い。
・夜中に痛くなる。
・下っ腹の腹痛。
・妊婦健診を受けた後に腹痛。
・コーヒーを飲むと腹痛。
・胃痛で吐き気。
妊娠初期の症状である生理予定日付近で起こる着床出血の場合は、腹痛が起こることは少ないようです。
腹痛や下腹部痛がある場所は?
腹痛がある場所によっても、痛みの原因が違ってきます。
■どのあたりで痛みがあるのか?
・子宮周りが痛い。
・卵巣あたり。
・へその上。
・へその下。
・へその周り。
・下腹部の真ん中。
・脇腹。
・腰のあたり。
・背中。
・みぞおち。
・左右どちらか片方がチクチク痛い。
子宮周りが痛いなら流産や子宮外妊娠、へその下や下腹部の真ん中あたりなら膀胱炎、脇腹や腰のあたり、背部なら尿路結石、卵巣のあたりや左右どちらか片方がチクチク痛いなら卵巣嚢腫や卵巣腫瘍の可能性があります。
子宮外妊娠の場合は、卵管に着床することが多く、そのまま放置すると卵管が破裂する危険性があるのでmすぐに産婦人科を受診して侵奪を受ける必要があります。
腹痛の発生する場所は、とても大事なので、どのあたりが痛むのか確認しましょう。
どんな感じで痛むの?
腹痛の痛みの感じ方として、ギュー、ぎゅっと、チクチク、キリキリ、ぐるぐる、ゴロゴロ、ジンジン、ヅキヅキ、ズーン、ずきっ、ズキン、ツーン、ピリピリ、ピキッという感じ方が多いようです。
ぎゅっと子宮を掴まれるような腹痛や卵巣に腫れなどがあってチクチク痛い、下痢の症状でぐるぐる、ゴロゴロといったものです。
妊娠初期の腹痛の対処法
妊娠初期の腹痛の対処法をチャートにしました。
妊娠初期の腹痛の場合は、症状を問わず病院を受診することになります。
腹痛と出血が同時ならすぐに病院!
腹痛と出血が同時に起こっているときは、流産などママやお腹の赤ちゃんに大きな影響を及ぼす危険性のリスクが高くなります。
特に痛みが間隔を開けて周期的に痛みがあり徐々に強くなるようなら流産のサインかもしれないので、今すぐ病院へTELして指示を仰ぐようにしてください。
出血の種類も
・黒い血
・鮮血
・ピンクのおりもの
・茶褐色のおりものいわゆる茶オリ
・レバー状の塊が出る
このようなおりものに血が混じっている状態でもリスクが高いです。
出血はよくある症状で大丈夫なことも多いですが、出血やピンク色または茶褐色のおりものに気がついたら、すぐに産婦人科に連絡して診察を受けることが必要です。
出血量が多い場合は、ナプキンを当てて病院を受診するようにしましょう。
■妊娠初期の出血で想定される症状。
・流産
・胞状奇胎
・子宮外妊娠(異所性妊娠)
・卵巣嚢腫
・子宮筋腫
出血がない痛みや安静で治まるときも産婦人科受診を
出血がない痛みや、出血があっても安静で治まるときでも、必ず産婦人科を受診するようにしましょう。腹痛でも胃腸科は受診せずに産婦人科を受診するようにしてください。
妊娠初期の腹痛は、流産や胞状奇胎、子宮外妊娠といった危険な腹痛もあるので安心できません。出血に気が付いたら早めに産婦人科を受診するようにしてください。
■妊娠初期の腹痛で想定される症状。
・流産
・胞状奇胎
・子宮外妊娠
・頸管無力症
・卵巣嚢腫
・子宮内感染症
・子宮筋腫
・子宮内膜症
・骨盤内の血流が悪い
・妊娠以外の腹痛
腹痛と出血は切迫流産の可能性も
腹痛と出血が同時に起こる場合は、流産の一歩手前である切迫流産の可能性もあります。
切迫流産と診断されると、安静が指示されて張り止めの薬を服用したり点滴を打つことがあります。
腹痛が急になくなる、消えた場合は?
今まであった腹痛が急になくなったり、消えた場合は稽留流産の可能性があります。稽留流産の場合は、つわりが突然なくなる、基礎体温が下がるなど症状もあり注意が必要です。
腹痛が急になくなった場合でも、すぐに産婦人科に連絡して指示を受けるようにしてください。
腹痛が治まらないときは病院へ行くべき?健診を待つべき?
腹痛が続く場合は、流産や切迫流産、胞状奇胎や子宮外妊娠など重大な病気のサインの可能性もあります。しばらく安静にしても腹痛が治まらないときは、妊婦健診を待たずに産婦人科に連絡して指示を受けるようにします。
腹痛で産婦人科を受診するときの注意点
腹痛でいきなり産婦人科を受診しても、具体的な症状を把握できないためにスムーズに診察が進まないことがあります。産婦人科を受診する際には、事前に電話して下記の要領で腹痛の状態を伝えることで、スムーズに診療が行えます。
■腹痛で受診する際のチェックリスト
●おなかのどの辺が痛いのか?
真ん中?下腹部?右左どちらか?みぞおち?背中?
●どれぐらい前から痛むのか?
昨日から?今朝から?数時間前から?今さっき?
●出血があるのか?
yesかnoで答える。
●出血があれば、どれぐらい出血しているのか?
ごく少量?ナプキンに付くくらい?生理ぐらいの出血量?大量の出血?
●腹痛は続いているのか?
間隔を開けて断続的に痛い?ずっと痛い?
●腹痛以外の症状はある?
胃痛がある、むかむかや吐き気、おう吐した、血尿や血便がある、腰痛や背部痛など腹痛以外に痛むところがある。
●これまでの経過。
今までに病院を受診したことはある?最終月経日、子宮内に胎のうが確認できているか?
上記の事項を電話したときに伝えると、産婦人科を受診したときにスムーズに対処できます。具体的な症状を伝えるようにしましょう。
病院では、超音波検査で確認して状態を確認することが多いです。
便秘や下痢で腹痛が起こることもある。
妊娠初期は、ホルモンバランスの変化で便秘や下痢になることがあります。便秘だったり下痢が原因で痛みが発生することもあるので、お通じの状態を確認することも大切です。
お腹にガスが溜まってきて、お腹が張って辛いときもあります。
便秘になると、トイレの時にいきんでしまうので赤ちゃんが出てこないか心配になりますよね。でも、いきみが原因で流産することはありません。
トイレの時にいきまなくても済むように、食物繊維や乳酸菌を摂取して食生活を改善して便秘解消を目指すようにしましょう。
妊娠初期の便秘はいつごろ始まるかについてですが、早い人は妊娠4週頃から始まることが多いようです。つわりによる水分不足で便秘になる場合もあって、つわりの症状とも付き合って症状を改善を目指しましょう。
妊娠中の便秘は、初期だけでなく安定期や後期になっても続くことがあります。バランスのとれた食事と軽い運動がポイントになるので、医師から安静を指示されてる場合を除いて、軽めの運動を継続的に行うようにすると便秘改善につながります。
市販の便秘薬や下痢止めを飲むときは注意!
市販の便秘薬や下痢止めの中には、妊娠に影響が出る成分が配合されていることがあります。妊娠初期は、薬に対して感受性が高いときなので、自己判断で薬を飲むのは絶対に止めるようにします。
痛いからといって、バファリンやロキソニンを飲むことはNGです。必ず産婦人科の医師に処方してもらうか、よく相談してから飲むようにしましょう。
流産が確定しているときは、痛み止めが処方されることがあります。
つわりの影響で腹痛の症状が出ることも。
妊娠初期といえば、つわりが始まっている頃です。吐きつわりになると、満足に食事できない上に何度も吐いてしまうので胃痛や胃腸炎を起こしやすくなっています。食べたり飲めたりしないことが多いので、脱水症状となって空腹となり腹痛を起こすこともあります。
ただし、本当につわりが原因で腹痛が起こってるか分からないので、必ず産婦人科を受診するようにしてください。
つわりを治す薬はないので、つわりが治まるまで頑張って乗り越えるようにしましょう。
腹痛の原因は何?
妊娠中に起こる腹痛の原因で、その多くは妊娠によるホルモンバランスの変化によって痛みが発生すると考えられています。
出産へ向けての準備として、黄体ホルモン(プロゲステロン)や卵胞ホルモン(エストロゲン)など女性ホルモンのバランスが大きく変化するために腹痛など様々な症状が現れることになります。
症状として多いのが下痢や便秘など胃腸の症状を経験する妊婦さんが多いようです。
仕事中に腹痛があったらどうする?
妊娠初期でも仕事を休めないというママも多いと思います。特に立ち仕事をしている妊婦さんは体に大きな負担が掛かってきます。
仕事中に腹痛やお腹の張りがあったときは、無理をせずに休憩するようにしましょう。できれば痛いほうを下にして横になるのがいいのですが、横になれない場合には、椅子やソファに座るだけでも痛みが緩和されます。
しかし、勤務中に休憩するとなると、職場の理解が必要になります。勤務先には妊娠10週頃までに妊娠の報告をして同僚や上司の理解を得るようにしましょう。
妊娠に無関係な痛みが発生することもあります。
妊娠中でも、妊娠の症状とは無関係な腹痛も発症することがあります。病院では、超音波検査など検査をして妊娠に異常がなければ他の病気の可能性を検討します。
■妊娠性でない痛み
・急性虫垂炎
・胃・十二指腸潰瘍
・膀胱炎
・尿管結石
・急性腎盂腎炎
・ストレス
このような疾患が腹痛の原因になっていることがあります。
●急性虫垂炎
急性虫垂炎とは、一般的に盲腸といわれている疾患です。主に右下腹部に刺すような強い痛みが発生します。右下腹部だけでなく、真ん中の下腹部痛があることもあります。
ムカムカして悪心、気分が悪い、吐き気やおう吐、みぞおちが痛むなど胃腸症状を伴うこともあります。
●胃・十二指腸潰瘍
胃痛や吐き気などの症状で、みぞおち付近が痛むことがあります。症状が重くなると吐血することもあります。十二指腸潰瘍だと背中側が痛むこともあります。
●膀胱炎
腹部の真ん中の下腹部が痛むときは膀胱炎を疑います。おしっこをする際につーんとした痛みが出るのが特徴です。頻尿も同時に発症することが多くトイレが近くなります。おしっこをしたあとも、残尿感もあります。
症状が重くなると、膀胱にも炎症が広がることがあります。
●尿路結石
腎盂や尿管に結石ができる疾患です。非常に強い痛み(疼痛)や血尿、おう吐、悪心など症状が出てきます。妊娠中は、投薬治療が主流になっています。
●急性腎盂腎炎
妊婦さん全体の約4%が急性腎盂腎炎になっているとされます。腹痛の他に発熱や寒気を伴う症状があります。腹痛と寒気が一緒に出たら急性腎盂腎炎かもしれません。
妊婦さんの場合は、入院して抗菌薬を点滴することが多いようです。腰部や背部が痛みます。
●ストレス
妊娠によるストレスから、胃痛を発症するママもいます。流産などへの過度の心配が大きなストレスとなっています。
ストレスを受けることで、胃や腸、下腹部痛が起こります。
このように、腹痛と言っても様々なことが原因で発症します。自覚症状だけで自己判断は出来ないので、必ず産婦人科を受診して診察を受けるようにしましょう。
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妊娠初期は、先天性異常のリスクに注意!
妊娠初期のママに知ってほしいことがあります。
それは、妊娠初期に大事な栄養素である葉酸が不足してしまうと、「無脳症」や「二分脊椎」など先天性異常のリスクが高くなるということです。
このことは、世界的な疫学的調査で判明したことで、日本でも2002年より厚生労働省が妊娠初期の女性に対して葉酸を積極的に摂取するように通知を出しています。
葉酸は、日頃の食事でも摂取できますが・・・
葉酸は絶対に必要な栄養素なので、不足しないように注意してください。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてください。
この他、妊娠初期の注意点は、妊娠初期、超初期の注意点や気を付けることで説明しています。
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