
妊娠初期の流産の症状や兆候
いきなり流産のお話なので驚くかもしれませんが、流産のことは一番知っておきたい注意点です。
流産とは、妊娠22週以前に妊娠が終わってしまうことです。妊娠12週未満を初期流産、妊娠12週以降22週未満を後期流産と呼びます。
流産の兆候や症状
流産を経験したママの体験談によると
・「出血量が多い鮮血の出血」
・「茶色や茶褐色の出血」
・「強い下腹部痛やお腹の張り」
・「断続的に腹痛や張りがある」
・「強い胃痛がある」
・「レバー状の塊が出る」
・「つわりが突然なくなった」
・「基礎体温が下がった」
このような症状や前兆があります。
ママの体験談は、腹痛や胃痛、下腹部痛など痛みに関するものが多いですが、実際には、鮮血や茶色、茶褐色の出血で気が付く場合も多いです。
また、稽留流産の場合は、自覚症状がないことが多く、妊婦健診で判明することもあります。
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腹痛があったり、出血に気が付いたら?
お腹に強い痛みが断続的にあったり、鮮血や茶色の出血、もしくはレバー状の塊が出るなど異変に気が付いたら、すぐに産婦人科に連絡して指示を仰ぐようにしてください。
出血時の対応をチャートにしてみました。
切迫流産の場合は、病院を受診したあとすぐに入院で安静、経過観察となる場合があります。切迫流産で安静が指示されると、ダクチルやデュファストンなどお腹の張り止めの薬が処方されることもあります。
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流産と診断されたときの手術や処置
流産と診断された場合には、できるだけ早く子宮内容除去手術することが望まれます。手術しないと出血が続いたり感染症になる危険性が高まるためです。
流産の手術は、日帰り手術も可能で、術後の様子をみて当日または翌日に退院できます。
■流産の手術費用はいくらぐらい?
おおよその手術費用は、2~6万円ぐらいです。入院する病院(公立か個人)や部屋の状況(個室か相部屋かなど)によって金額が違ってきます。
入院する時期によっては、この他に妊婦健診の費用が加算されます。
流産手術は保険が使えるの?給付金は?
一般的に、自然妊娠での流産の場合には保険が適用になります。金額は手術の内容、例えば子宮内容除去術、子宮内膜掻爬術などの術式や手術を受ける妊娠週数などによっても差が出てきます。
アリコやアフラックエバーなどの生命保険に加入していると、流産の手術で給付金が支給されることもあります。がん保険に女性特約が付いていることもあるので、必ず保険会社に問い合わせするようにしましょう。
妊娠初期の流産の確率
日本産科婦人科学会によると、妊娠の初期段階に流産が起こる確率は約15%です。15%といえば、6人に1人ぐらいの確率となって、多くの女性が流産を経験していることになります。
流産の約80%は妊娠初期の段階で起こり、妊娠最大の合併症と言われるくらい珍しくないものです。
流産する確率は、年齢とともに上がることがわかっていて、20代より30代、40代の方が高くなります。
経過が順調で心拍が確認できるようになると、胎児の心音、つまり心拍確認が確認されることで流産する確率は5%以下と劇的に低くなります。
妊娠初期に流産することがいかに多いか分かります。妊娠後期になると子宮口が緩んで開いてしまう子宮頸管無力症などがありますが、今回は妊娠初期の早期流産について詳しく紹介します。
流産は妊娠検査薬では分からないので、症状などで早期に産婦人科を受診することが大切です。
流産する原因
流産が起こる原因は、その多くは赤ちゃんの染色体異常が原因で母体側に原因はないとされています。しかし、あまりに流産が続くときは習慣流産となって不育症など母体側に原因があるときもあります。
■流産と飲酒や喫煙、運動やストレスとの関係
一般的に、流産の原因して思われている酒や喫煙、運動やストレスは流産の原因になるのでしょうか?
上記で紹介しているように、妊娠初期の流産は胎児の染色体異常が原因のことが多いです。
妊娠が判明したあとで、重いものを持ったり立ち仕事をしていることが流産の原因になることはないとされています。自転車に乗ったりスポーツをしても同様です。
ですが、アルコールとたばこの場合は違います。
アルコールとたばこが流産のリスクを高める
妊娠後にアルコールを摂取すると自然流産のリスクが約2倍になるとされています。
たばこも流産のリスクを高めることが分かっています。胎児の先天性異常のリスクもたばこを吸っていない人の1.2~1.3倍増加になるとされています。
参考:喫煙について|陣内ウィメンズクリニック ? 東京・自由が丘~婦人科~不妊治療
流産以外にも、低体重児での出産や早産のリスクが高まることが分かっています。
ママが吸っていなくても、同居の家族が吸っていれば、副流煙が発生して同様の状態になります。他の部屋で吸っていてもリスクは変わらないです。今まで喫煙している人は、今すぐ禁煙することをおすすめします。
くしゃみや下痢が流産の原因に?
妊娠後にくしゃみをしたり下痢が続くことが流産の原因にはなりません。
くしゃみのなどの風邪のような症状や下痢は妊娠初期の症状として知られています。この症状があるからといって流産になることはありません。
妊娠初期の流産はいつまで気を付ければいいの?
流産の多くが妊娠12週未満で起こっています。妊娠12週を過ぎるぐらいまでは注意して出血や腹痛が起こっていないか気を付けることが大切です。
12週を過ぎても、常に流産のリスクがあるので心に止めておくようにします。アルコールとたばこは、早産のリスクを高めるので今すぐ止めるようにしましょう。
子宮内膜症や子宮筋腫は流産しやすい?
子宮内膜症については、統計的なデータがないため、流産しやすいという根拠はありません。
子宮筋腫については、筋腫ができる場所によっては流産しやすい傾向があるようです。筋腫があるからといって、必ず流産するというわけではなく、あくまでその傾向があるということです。
流産の種類
妊娠初期に起こる流産は、早期流産と切迫流産の2種類に分けることができます。
■早期流産
ほとんどは胎児側の染色体異常によって起こる流産です。流産の状態によって4つに分類されます。
・完全流産
・稽留流産
・不全流産
・進行流産
この4種類に分けることができます。
●完全流産
子宮内の赤ちゃんや胎のうなどの子宮内容物が完全に娩出した状態です。
●稽留流産
子宮内で赤ちゃんが活動停止して、子宮内容物がそのままとどまっている状態です。流産のような自覚症状がないことが多いです。
●不全流産
赤ちゃんや胎のうの一部が子宮内に残っている状態です。早急に掻爬手術したほうがいい状態です。
●進行流産
流産が進行していて子宮が収縮している状態です。一度進行した流産は止めることはできません。
関連記事:
・早期流産
・切迫流産
・化学流産
・稽留流産でもつわりがある?9週、10週目なら赤ちゃんが原因。
流産したあとでも妊娠できます。
流産したから妊娠しにくいということはありません。流産後に妊娠できたママはたくさんいるので、焦らずに次の妊娠を待つようにしましょう。
流産は、早期発見と適切な処置が必要です。妊娠中はお腹が張ったり出血を起こすことも多いので、痛みや出血があったり、少しでも違和感を感じたらすぐに産婦人科に連絡して指示を受けるようにしてください。
妊娠初期は、先天性異常のリスクに注意!
妊娠初期のママに知ってほしいことがあります。
それは、妊娠初期に大事な栄養素である葉酸が不足してしまうと、「無脳症」や「二分脊椎」など先天性異常のリスクが高くなるということです。
このことは、世界的な疫学的調査で判明したことで、日本でも2002年より厚生労働省が妊娠初期の女性に対して葉酸を積極的に摂取するように通知を出しています。
葉酸は、日頃の食事でも摂取できますが・・・
葉酸は絶対に必要な栄養素なので、不足しないように注意してください。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてください。
この他、妊娠初期の注意点は、妊娠初期、超初期の注意点や気を付けることで紹介しました。読んでみてください。
妊娠したい人向けの情報は、妊娠したい!妊娠希望なのに、できない原因は?生理不順の人は産婦人科を受診。で詳しく説明しています。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。