
不妊治療の種類
不妊治療は、排卵日を測定してその日に受精を目指す方法や薬や注射などを使って排卵を誘発させる治療法、卵子や精子を採取して培養、子宮内に戻すARTがあります。不妊症は、個人によって症状が違うので、個人に合わせた治療法が選択されます。
最近では、晩婚・晩産化の傾向があり途中のステップを飛ばして、体外受精へと進むケースも増え始めました。
タイミング法と不妊治療
女性・男性共に異常がないのに妊娠できないときがあります。こういうときは超音波検査などで排卵日を予測して、その日に夫婦生活を持って妊娠を目指す治療法があります。基礎体温が正常に二相に分かれていて、他に不妊の原因がない人が対象です。
また、クロミフェンなどの排卵誘発剤を使ってタイミングを指導することもあります。タイミング法で妊娠できない場合は、違う排卵誘発方法を選択するか、人工授精を行うことが検討されます。
タイミング法についてはタイミング法で詳しくまとめました。
排卵日付近でタイミング法を行うと妊娠する確率も高まりますが、男性に排卵日を伝えるとプレッシャーになり、その日に限って残業で遅くなったり疲れてると先に休んだりする行動をとるときがあります。
こうならないためににも、排卵日を意識しない夫婦間のコミュニケーションが大切になってきます。日頃から仲良しする習慣をつけるようにしましょう。
薬による不妊治療
■クロミフェン療法
排卵誘発剤クロミフェンによって排卵を促し不妊を改善する治療法です。適応となるのは、血中PRL値が正常な無排卵周期症や第1度無月経です。第2度無月経では無効とされます。POCSの人は第1度無月経でも約半分がクロミフェンが無効になるとされます。
排卵誘発率は第1度無月経で70%,無排卵周期症は80%以上と高いものですが、妊娠率は25~30%となっています。OHSSなどの副作用も少なく多胎の発生率も数%程度です。
●第1度無月経
ゲスターゲンテストで消退出血が認められるものを第1度無月経といいます。卵胞ホルモンは分泌されているが月経が来ない状態です。ゲスターゲン単独投与で生理が来たら第1度無月経です。
●第2度無月経
ゲスターゲン単独では消退出血が起きず、エストロゲンを併用投与して消退出血が起こる状態を第2度無月経と言います。治療はカフスマン療法などが用いられます。
クロミフェン単独で排卵が起きない場合は、ゴナドトロピン(Gn)療法やでドーパミン作動薬併用療法などが治療の選択肢となります。
■ドーパミン作動薬療法
ドーパミン作動薬療法は、高PRL血症や甲状腺機能低下症、クロミフェン療法では排卵が起きなかった場合に選択肢となります。排卵率は50%以上で機能性高PRL血症に対する排卵率は80~85%、妊娠率は30~40%となっています。
■ゴナドトロピン(Gn)療法
ゴナドトロピン(Gn)療法は、クロミフェンが無効・血中FSH値が正常もしくは低値の第2度無月経が適応となります。また、自然に排卵がある人やクロミフェンで排卵が起こっても妊娠できない場合にも適用されます。
ゴナドトロピン(Gn)療法の排卵率は70~80%、妊娠率は30%前後です。しかし、流産率も20%と他の療法と比較して高くなっています。副作用としてOHSSや多胎があります。特にPOCSの人はOHSSになる頻度が高いので注意が必要です。副作用対策として、GnRH アゴニスト併用療法、FSH 漸減投与法、hMG 律動的皮下投与法、FSH-GnRH パルス療法などが行われています。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
ARTによる不妊治療
ARTとは、生殖補助技術のことで人の手を借りて妊娠を目指すものです。ART技術の進歩により、今まで難治性の不妊症で妊娠が難しかった例でも妊娠を目指すことができるようになりました。
特に、卵管に原因があって妊娠できない場合や男性不妊場合でも治療が可能になってきています。A
■人工授精
人工授精は、採取した精子をカテーテルなどで子宮内に戻す治療法です。頸管粘液が少ない場合や抗精子抗体が陽性の場合、EDや男性不妊などで子宮内に精子が到達するのが困難な場合に人工授精が選択されます。
また、クロミフェンなどの排卵誘発では妊娠できない場合でも人工授精へのステップアップが検討されます。
■体外受精
卵管に不妊の原因があると、人工授精でも妊娠できません。卵管因子の不妊症や重度の男性不妊症などは体外受精を検討します。体外受精は、採取した精子を卵子と受精させ培養したあとに子宮内に戻す方法です。抗精子抗体陽性、子宮内膜症、原因不明不妊(機能性不妊)などにも適応されます。
■顕微授精
顕微授精は、重症精子減少症、精子無力症、精子奇形症などの重症男性不妊のときに適応される不妊治療です。卵子に細いガラス管を直接刺して精子を注入するものです。顕微授精を行うには遺伝的・倫理的な問題あり医師・パートナーと十分に話し合いすることが大切です。
■子宮内膜再生技術IFCE
子宮内膜再生技術IFCE(Intrauterine Fiberscope & Curettage of the Endometrium)は新しい不妊治療の方法として登場しました。
子宮内膜に専用の器具で傷を付けてそこに受精卵を移植する治療法です。従来、体外受精や着床不全で妊娠できなかった例にも適応でき、従来の治療法と比べて妊娠率も高くなります。詳しい情報は下記を参照してください。
IFCE子宮内膜再生術は、体外受精を何度行っても妊娠反応が出ない人が対象となっています。検査を施行する前に子宮内の検査をして子宮内膜ポリープや子宮筋腫など着床を妨げる原因があれば治療を行います。
治療が完了した次の周期に子宮内膜を傷つけて受精卵を移植します。IFCEを行うことでしない人に比べて妊娠率が3倍になるデータもあります。体外受精を何度行っても妊娠反応がでない人はIFCE 子宮内膜再生術を受けるのも選択肢です。詳しくはIFCE 子宮内膜再生術とは?で紹介しています。
二人目不妊
二人目不妊で悩んでいるならここを読んでみてください。一人目は自然に妊娠できても、二人目が妊娠できないことで悩んでいる人は多くいます。
このページでは、二人目不妊の原因とその対策や改善する方法について詳しく紹介しています。
二人目不妊の原因
二人目不妊の原因の一つとして年齢が上がることがあります。最近では晩婚化が進んでいて妊娠する年齢も上がってきています。年齢が進むと排卵しにくくなって妊娠できる可能性も低くなってきます。
また、卵子の老化も進んでいて35歳を過ぎると急激に老化が進んでいきます。厚生労働省によると、40歳を超えて妊娠・出産に至る確率は約2%という報告もあります。
年齢が進むと、責任も大きくなり社会でストレスを受ける機会も増えてきます。女性、男性ともストレスを受ける機会が増えてきますので、ますます妊娠しにくい状態となってしまうのです。
年齢は、大きな不妊の原因となっています。1年以上通常の夫婦生活を行っても妊娠できないなら、産婦人科を受診して二人目不妊の原因を調べたほうがいいかもしれません。
次は、二人目不妊の原因を詳しくみていくことにします。
■二人目不妊の大きな原因
・年齢による妊娠力の低下。
・元々妊娠しにくい体質だった。
・仲良しの回数が減った。
・パートナーが変わった。
・子宮筋腫やクラミジアなどの疾患。
・早発閉経の可能性。
●年齢による妊娠力の低下。
年齢が上がってくると卵子の老化が進み妊娠しにくくなってきます。また、基礎代謝の低下やストレスなどで体調が不良になると妊娠する力が低下していきます。
最近は妊娠する年齢も上がってきていますので、二人目不妊と感じたら産婦人科を受診して妊娠できない原因を調べるようにしたほうがいいでしょう。
●元々妊娠しにくい体質だった。
元々が妊娠しにくい体質で、たまたま一人目が妊娠できたのかもしれません。例えば卵管の片方が機能していなくて、片方が機能したときに妊娠できたのかもしれません。
妊娠しにくい体質、つまり不妊症などになっていて妊娠できない可能性もあります。まずは、妊娠できない原因を調べることが必要です。
●仲良しの回数が減った。
年齢が上がると子育てや仕事が忙しくなり仲良しする機会が自然と減ってきます。仲良ししないと妊娠できないので、妊娠できる確率も下がってきます。
また、仕事や家庭のことで責任が大きくなって強いストレスを受けることも原因となって赤ちゃんができない原因となってしまいます。
赤ちゃんが欲しいと思ったら、夫婦で話し合いストレスを解消して仲良しする機会を増やしていきましょう。
●パートナーが変わった。
様々な原因でパートナーが変わることがあります。パートナーとの妊娠の相性が二人目不妊の原因となっていることがあります。不妊の原因の半分は男性側にあり、それに気が付いていない場合もあります。
抗精子抗体の存在など、通常の検査では分からないこともあるので、赤ちゃんができないなら夫婦で不妊検査を受けることも選択肢の一つです。
●子宮筋腫やクラミジアなどの疾患。
子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患、カンジタやクラミジアなどの感染症などが原因で不妊になることがあります。子宮筋腫は年齢が進むと症状が進行する場合もあるので早めに治療をすることが大事です。
カンジタやクラミジアなどの感染症が骨盤内に炎症を起こして卵管や卵巣が癒着してしまう原因となります。どちらも自覚症状がないことが多いので産婦人科で検査を受けて調べるのもいいでしょう。
●早発閉経の可能性。
通常より早く40歳未満で閉経してしまう早発閉経という病気があります。早発閉経が原因で妊娠できないこともあります。早発閉経かどうかは検査することで分かります。
早発閉経の人でも妊娠している例もありますので、早めに治療を開始することが必要です。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
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二人目不妊を改善するには
二人目不妊を改善するには、産婦人科で原因を調べると共に、体調を良くしていくことが大切です。年齢が進むと代謝が落ちてストレスも強く受ける傾向があります。
二人目の妊娠を目指すなら、ストレスを上手に解消して体調を良くしていくようにしましょう。まずは生活環境と食生活の見直しをしていきましょう。
不規則な生活は、それだけで体にストレスを与えることになります。なるべく規則正しい生活を心がけて十分な睡眠時間を取るようにしてください。
食事も好きなものばかりではなく、栄養豊富なバランスの良い食事を摂るようにしましょう。外食は栄養が偏りがちになるので自宅で調理するようにしましょう。
また、体の冷えにも注意してください。体が冷えたままだと血流が滞ってよくありません。体を温める工夫、半身浴をする、体を温めるような根菜類を食べる、冷える前に保温するなど冷えない工夫をしてみてください。
自分が二人目不妊だなんて思ってもみなかったという人も多いようです。特に30代の人は妊娠のリミットが近づいていますので、早めに治療することが大切です。
二人目不妊と高齢
二人目不妊と高齢は、とても関係があり妊娠できない原因の一つとなっています。妊娠における高齢とは、35歳以上の年齢で妊娠する確率が著しく低下していくことが知られています。
日本産婦人科学会によると、現在の晩婚化の影響で30歳以上の分娩数が80%増加したとの報告もあります。このようなことを考えてみて、妊娠できるリミットは38歳ぐらいまで(不妊治療に要する時間2年程度と換算して)と考えられます。
一人目は自然に妊娠できても、二人目が中々できず時間だけが経ってしまうケースもあります。高齢になると残された時間も少ないので、早めに産婦人科を受診して妊娠できない原因を調べることが大切です。
次は、高齢で二人目不妊となる原因を紹介していきます。
高齢で二人目不妊となる原因
高齢で二人目不妊となる原因として次のようなことが考えられます。
・年齢による卵巣機能不全、卵子の老化。
・子宮筋腫などの婦人科疾患と感染症。
・女性、男性共に妊娠力の低下。
●年齢による卵巣機能不全、卵子の老化。
高齢と呼ばれる年齢になると、卵巣の機能が低下して卵子が育たなかったり排卵しにくくなっていきます。卵巣機能不全の原因は、卵の質の低下や顆粒膜細胞の機能低下、卵の染色体異常の増加によって妊娠できる確率が下がっていくと考えられています。
参考:日本産婦人科学会4)高齢不妊婦人の問題点 卵巣機能不全
つまり、徐々に卵子の質が低下してうまく卵子が育たない状態になっていくようになります。卵子の質の低下は卵子の老化とも呼ばれ不妊の原因であることが分かってきています。
卵子が老化すると、うまく受精できずに妊娠できないことになります。現在の医学では卵子の老化を止めることはできないので、はやく不妊治療を開始することが大切になります。
通常の夫婦生活を行って1年以内に二人目を妊娠できないときは、早めに産婦人科を受診して不妊の原因を調べることをおすすめします。
●子宮筋腫などの婦人科疾患と感染症。
高齢になると、卵管炎、子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科疾患のリスクが増大することが知られています。卵管炎、子宮筋腫、子宮内膜症といった病気は不妊の原因になるので早めに治療することが大切です。
子宮筋腫は生理のときに経血が多くなる過多月経になりやすので、いつもより量が多いと感じたらすぐに産婦人科を受診するようにしてください。
また、クラミジアなどの感染症になっても妊娠できないことがあります。感染症による炎症が卵管や骨盤内に広がり、周りの臓器に癒着して妊娠を妨げます。
このような感染症は無症状のことも多いので、病院で検査を受けてきちんと治療することが大事です。
●女性、男性共に妊娠力の低下。
女性、男性のどちらも高齢になるにつれて妊娠力が低下していく傾向があります。
女性の場合は、卵子の老化や婦人科疾患のリスク増大、子育てや仕事でのストレスが妊娠へ影響することがあります。
男性の場合は、仕事の責任の増大でストレスが強くなり精子の数が減少したり運動率が低下、受精する力が低下していく場合があります。
どちらもストレスが不妊の原因となることがあるので、ストレスを解消することも大切です。

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日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
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二人目不妊を改善
高齢で二人目不妊を改善するには、不妊の原因を病院で調べることが大切です。不妊の原因は、女性・男性ともにあるので、夫婦で受診して調べる必要があります。
二人目不妊を改善には、不妊原因の治療と共に夫婦で体調を整えることが大事です。どちらか片方でも体調が良くないと妊娠できる確率が下がってきます。
まずは、生活習慣と食生活を見直して体調を整えていきましょう。不規則な生活は、体にストレスとなります。ストレスを上手に解消していきましょう。
軽い運動やヨガ、ストレッチもストレス解消になります。ちょっとした空き時間で試してみましょう。
食事は、栄養があるものを選び規則正しく食べるようにしましょう。ビタミン類や根菜類を多く摂るといいでしょう。体を冷やさないショウガや唐辛子もいいでしょう。
高齢による妊娠力の低下は防ぐことはできませんが、早めに不妊治療を行うことによって妊娠できる可能性もあります。高齢で二人目不妊に悩むよりも産婦人科へ行って原因を調べ治療することで改善できることもあります。
この他、二人目不妊全般の話題は二人目不妊でまとめました。不妊治療については不妊治療の種類で詳しく紹介しています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。
三人目不妊
三人目不妊で悩んでいるなら、まずは体調を整えることから始めましょう。体調が悪くストレスを溜め込んでいると妊娠しにくくなると言われています。
三人目不妊となる原因として、卵子の老化や妊娠力の低下があります。卵子は37歳以降で急激に老化が進むことが知られています。妊娠を望むなら早く妊活を行うことが大切です。
また、育児ストレスや仲良しの回数が減ることも三人目妊娠を妨げる原因になっています。育児や仕事のストレスで妊娠力が低下してしていきます。
卵子の老化は止めることができないので、夫婦で体調を整えてストレスを解消することが大切になってきます。日頃の運動不足を補いストレスを解消するためにも運動することをおすすめします。詳しくは三人目不妊で紹介しています。
この他、不妊治療については不妊治療の種類で詳しく説明しています。参考にしてみてください。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。。
不妊治療の病院選び
不妊治療の病院選びは非常に重要です。不妊治療は、内容によっては数年間治療しなければなりません。最初の病院選びが重要になってきます。
治療を受ける施設を選ぶときは、不妊治療専門か?スタッフの対応はどうか?自宅から通えるか?医師との相性はどうか?など細かい点にまで気を配る必要があります。
ネットの口コミや周囲の評判で病院を決めたら、まずは受診することをおすすめします。受診して施設の雰囲気や産科と同じ待合室になっていないかなど確かめてみましょう。
不妊治療外来は、時間が掛かることが多いです。2時間待ちは普通です。これは治療の性質上どうしようもないことなので、本を読むなどして心穏やかに待つようにしましょう。詳しくは不妊治療の病院選びでまとめました。
排卵誘発の方法
排卵誘発の方法は、様々な種類がありますが、大きく分けて薬を飲んで排卵を誘発する方法と注射をして排卵を促す方法の2種類があります。個人の状態によって最適な排卵誘発の方法があります。
内服せずに自然排卵を待つ完全周期法という方法もあります。内服する排卵方法は低刺激排卵誘発として知られておりセキソビット、クロミッド、フェマーラなどの内服薬が用いられることが多いです。
これに対して注射による排卵誘発方法は、内服より強力に排卵を促す方法でFSHやLHといったホルモンを注射して卵胞が育ってきていることを確認してHCGを注射して排卵を促す方法です。
排卵誘発は副作用を起こすことがあります。おもな副作用として卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、卵巣茎捻転、多胎妊娠などがあります。これらの副作用は入院しなければならないことがあり注意が必要です。詳しくは排卵誘発の方法で説明しています。
不妊治療で保険適用は?
不妊治療で保険適用は、どれぐらいの範囲で適用になるのでしょうか?一般的には、体外受精や顕微授精など、高度な生殖補助医療になるほど自己負担が増加する傾向にあります。
不妊治療で保険が適用される範囲は、排卵誘発剤などの薬物療法、卵管疎通障害に対する卵管通気法、卵管形成術、精管機能障害に対する精管形成術などの不妊治療に適用されます。
一方、不妊治療に適用されないのは、配偶者間人工授精、非配偶者間人工授精、体外受精、VF-ET(体外受精、胚移植)、GIFT(配偶子卵管内移植)、ICSI(顕微授精。卵細胞質内精子注入法)などです。
不妊治療の高額な医療費を助成する特定不妊治療助成金制度があります。1年度あたり1回15万円、2回までとし、通算5年支給されるものです。これ以外にも自治体が独自に助成を行うこともあります。詳しくは不妊治療で保険適用でまとめました。
不妊の原因については絨毛膜下血腫
不妊治療とホルモン療法
不妊治療の一つとしてホルモン療法があります。ホルモン療法は、黄体ホルモン補充療法と排卵誘発療法に分けることができます。不妊検査の結果から最良な治療法が選択されます。
黄体ホルモン補充療法とは、LHパルスの異常、LHサージレベルピークの低下、黄体期の持続時間、分泌異常、子宮の異常などのときに黄体ホルモンを補充していく治療法です。
排卵誘発療法とは、無排卵や生理不順など排卵に問題がある場合に、薬剤によって排卵を促すことで卵子や子宮内膜の状態を改善して妊娠率の向上を目指す治療法です。副作用もあるので注意しましょう。
不妊治療といえば、タイミング法からスタートすることが多いのですが、35歳以上の高齢になるとタイミング法を飛ばして人工授精へステップアップしたほうがいい結果になることがあります。詳しくは不妊治療とホルモン療法で説明しています。
一般不妊治療とは?
不妊治療にもいくつか種類があって、大きく分けると一般不妊治療と生殖補助医療(ART)に分けることができます。どちらの治療法を選択するかは個人によって身長に決定されます。
一般不妊治療とは、最初に産婦人科を訪れたときに指導されることが多いタイミング法や排卵誘発、人工授精や漢方による不妊治療などです。これに対して生殖補助医療(ART)とは、体外受精や顕微授精などステップアップした不妊治療法です。
どちらの不妊治療を選択するかは治療を受けるクリニックや産婦人科で違ってきますが、最初に一般不妊治療であるタイミング法が指導されることが多いようです。タイミング法を何周期か試すことになります。
タイミング法を行うには、生理不順がないこと、排卵が行われていることを確認しなければなりません。生理不順や無排卵は、基礎体温表で分かるので記録するようにしましょう。詳しくは一般不妊治療とは?で解説しています。
人工授精(AIH)とは?
人工授精(AIH)とは、精子をカテーテルを使って子宮内などに注入して卵子と精子の出会える確率を上げて妊娠を目指す方法です。一般的に行われる不妊治療法です。
人工授精というと、何か人工的なものを想像しますが、実際には精子の動きをサポートして卵子との出会いの確率を上げる方法です。現在では遠心分離にかけて元気のよい精子だけを注入する方法が多くなっています。
人工授精といっても、いくつかの種類に分けられます。配偶者間人工授精、非配偶者間人工授精、頸管内人工授精、子宮内人工授精、子宮鏡下卵管内人工授精などがあります。
この治療を行うメリットとして、痛みがほとんどない、妊娠率が高い、自然に近い形で妊娠できるなどがあります。反対に卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こりやすいなどのデメリットもあります。詳しくは人工授精(AIH)とは?で説明しています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。