
妊娠初期のむくみ、足や体がむくむ原因は?
妊娠初期から足や体にむくみが出ることがあります。
今までは、むくみがなかった人でも、妊娠を機にむくみが出てくることもあります。
妊婦になって、急に浮腫が出て手足がむくんでくるので、びっくりしますよね。
実は、妊婦さんの60-70%がむくみ(浮腫)を経験しているとされています。むくみは特別なことではありません。
ここでは、妊娠初期に出やすいむくみについて詳しく紹介しています。
むくみは胎児に影響はないの?
むくみがひどくなると、胎児に影響が出ないのか心配になりますよね。
妊婦さんがむくむことで、どのような影響が出るのでしょうか?
妊婦さんのむくみで分かっていること
浮腫のある妊婦の方が無い妊婦より体重の重い児(こ)を出産する。浮腫のある妊婦は低体重児を出産する率が低い。浮腫のある妊婦の方が無い妊婦より出産前後の死亡が少ない。妊娠中の体重増加が多いほど浮腫がでやすい。子癇(しかん)をおこした妊婦の約半数に浮腫が無い。浮腫のある妊婦に体重制限をしても、しなくても妊娠高血圧症候群の発症頻度に差が無い―などの傾向がみられます。
まとめると
・むくみがあるほうが体重の重い赤ちゃんを出産、死亡率も低い。
・妊娠中の体重増加大きいほどむくみが出やすい。
・浮腫のある妊婦さんに体重制限を行っても、妊娠高血圧症候群のリスクは変わらない。
このように、妊娠中のむくみは胎児に影響しないことが分かってきました。
最近では、むくみ(浮腫)は妊娠高血圧症候群の症状から除外されています。このことからも、むくみは胎児に影響する可能性は低いこと分かります。
詳しくは、妊娠初期のむくみは胎児に影響する?手足のしびれは産婦人科へ。で説明しています。読んでみてください。
妊娠初期にむくみが出る原因は?
むくみが出やすくなる原因として
・塩分の取り過ぎ
・妊娠による血流の悪化
・血流量の増加による水分が溜まる。
このようなことが原因でむくみが出ます。
特に妊婦さんは「妊娠による血流の悪化」「血流量の増加による水分が溜まる。」が大きな原因になります。
妊娠による血流の悪化
妊娠すると、子宮が急激に大きくなってきます。
子宮が大きくなることにより、下半身が圧迫される状態が続くため、血流が悪化して足や下半身がむくみやすくなります。
血流量の増加による水分が溜まる。
妊娠すると、子宮が大きくなって胎児がより多くの血液を必要とします。
胎児が元気に成長できるように、ママの血液量も妊娠前の約1.3倍になって、より多くの血液をお腹の赤ちゃんに運ぶことになります。
血液中の水分が増えることによって、血管壁(血管の壁の部分)から水分がしみ出て皮下組織に溜まってしまいます。
この状態が、むくみ(浮腫)です。主に足、ふくらはぎにむくみが出やすくなります。
妊娠初期の体重増加の目安は?
妊娠初期からの体重増加の目安は、7~12kgぐらいです。
やせすぎのママは、9~12kgぐらいを目安に体重管理を行うことが推奨されています。
厚生労働省「健やか親子 21(2006 年)によると
・BMI<18.5(やせ); 9 ~ 12kg
・BMI18.5~25(普通); 7 ~ 12kg
・BMI≧25(肥満); 個別対応
適正な出生体重を考慮すると、上記の体重になります。
私は肥満?やせ?肥満度チェック
まずは、自分の肥満度をチェックしましょう。
18.5未満 | 出産までの体重増加は9~12kgになるのが理想です。低体重になるので、栄養不足が心配です。 |
18.5以上25.0未満 | 標準体重です。出産までの体重増加は7~12kgぐらいが理想とされます。ですが、週に500g以上体重が増えるなら注意してください。 |
25.0以上 | 肥満となります。体重増加の目安は個別に医師と相談する必要があります。急激に体重増加なら早めに受診を。 |
肥満の人は別に基準があって、
日本肥満学会によると
・肥満妊婦を対象とする(e)
・標準体重の 120% 未満(軽度肥満妊婦) 5kg 以下
・標準体重の 120% 以上(高度肥満妊婦) 7kg 以下
産科的異常の減少を考慮すると、上記のような体重制限になります。
妊娠中の体重増加は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や妊娠糖尿病のリスクが高くなるので、適正な体重に収まるように管理しましょうね。
食べつわりの体重増加に注意して!
食べつわりのママは、つわり明けの体重増加に注意してください。
食欲が増したまま、つわり明けを迎えると、過度な体重増加になる可能性があります。
おやつは野菜にする、食べ物を周りに置かないなど食べつわり対策をして体重が増えすぎないように注意してください。
体重増加の他にも、妊娠初期は先天性異常のリスクに注意することが大切ですよ。
妊娠初期は、先天性異常のリスクに注意!
妊娠初期のママに知ってほしいことがあります。
妊娠初期は、赤ちゃんにとって神経や心臓、背骨など重要な器官を形成する時期です。
この時期に、葉酸が不足すると、無脳症や二分脊椎などの先天性異常のリスクが高くなるという事実です。
このことは、世界的な疫学的調査で判明したことで、日本でも、2002年より厚生労働省が妊娠初期の女性に対して葉酸を積極的に摂取するように通知を出しています。
葉酸は、日頃の食事でも摂取できますが・・・
葉酸は、母子手帳に記載されるぐらい重要な栄養素です。
葉酸は絶対に必要な栄養素なので、不足しないように注意してください。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてください。
日本は、先天性異常の発生率が高い。
日本は、アメリカやイギリスに比べて、先天性異常の発生率が非常に高くなっています。
日本産婦人科医会のホームページによると
例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメリカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状である。
アメリカやイギリスでは、葉酸の摂取が進んでいて、異常の発生率が1/10まで減少しました。
ですが日本では、厚生労働省が通知したにも関わらず、ドンドン増えてアメリカの8倍、イギリスの6倍と高い異常の発生率になっています。
妊婦さんの認知度も低く、「葉酸が妊娠に必ず必要」、と知っているママが非常に少ないので心配です。
葉酸は、熱に弱く日頃の食事では不足しています。
厚生労働省、日本先天異常学会も「普段の食事に加えて、妊娠前から妊娠初期に葉酸サプリを飲むことで経管閉鎖障害が起きる可能性が減少する」として、毎日サプリでの摂取を進めています。
妊娠初期のママは、絶対に葉酸が不足しないように注意してください。
おすすめのサプリについては、下記ページで詳しく紹介しています。読んでみてください。
胎児に影響は低いけど油断しないで!
むくみは胎児に直接影響は低いですが、血圧の上昇やタンパク尿などは依然として妊娠高血圧症候群のリスクを大きくします。
「妊娠中は2人分食べなきゃ!」といって、食欲のままに食べる妊婦さんもいますが、これは間違いです。
妊娠中の体重増加は7~12kgぐらいが理想なので、この範囲に収まるように適切な体重管理と食事を行うようにしましょう。
妊娠したら気を付けること、注意点
妊娠したら気を付けること、注意点をまとめてみました。下記ページを読んでみてください。
妊娠初期にやるべきこと、することをまとめました。じっくり読んでみてくださいね。
妊娠初期の症状や兆候については初期妊娠症状でまとめています。参考にしてください。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。