
妊娠初期の飛行機
妊娠初期に飛行機に乗って海外旅行や帰省は大丈夫?という疑問がありますよね。
飛行機に乗ることは賛否両論がありますが、クリニックや産院の医師の意見を集めると、短時間であれば良いが、できるなら乗らないほうがよいと言う意見がほとんどでした。
妊娠初期は、急に出血したり腹痛が起こったりします。また、つわりの症状が出始めるので、一日中気分が悪くなることもあります。
里帰りなどでどうしても行かなければならないときは、出血時の対応やつわりを考えて負担の掛からず短時間で移動できるプランを立ててみてください。
妊娠中の旅行は、安定期まで予定を延ばすことができるなら、後日に変更したほうがいいかもしれません。やむうえない場合のみ飛行機を使用するのがおすすめです。
Q&Aサイトや周りの人が大丈夫だったから自分も大丈夫ではありません。もし、流産した時に後悔しないようにしっかりと考えてください。
妊娠初期に飛行機で海外旅行?
妊娠初期で妊娠しているとは知らずに海外旅行の予約を取ってしまったという話もあります。
産婦人科医師の意見として、ほとんどが旅行は勧めないとしています。
本人は症状がなくても、旅行の時期につわり(悪阻)が出てきたり、偶発的に出血する事態が心配されます。
特に海外では、医療機関を受診するのは自費だったり、医療機関そのものが問題があったりとリスクが高まります。
旅先で突然大量出血することも考えられますので、海外旅行をキャンセルして安静にしておいたほうがいいです。
妊娠初期は、体を動かしたり運動をしても流産の原因とはならないとされますが、出血して流産後に「旅行を止めておけば良かった」と後悔しないためにも慎重に検討したほうがいいですね。
妊娠2ヶ月、3ヶ月まで要注意!6週目ならもっと!
妊娠2.3ヶ月は、妊娠初期と呼ばれる期間で注意が必要です。
この時期は、急に腹痛が起こったり出血があったりして不安定な状態が続きます。また、つわりもピークを迎える時期で、気持ち悪く気分が優れない日々が続く妊婦さんも多いです。
妊娠6週目で飛行機に乗ることは、つわりが始まる時期でもあるのでおすすめできません。
こんな症状が出ている時期に海外旅行や長時間の移動は、大きなリスクを伴います。できれば、妊娠4ヶ月からの安定期に入ってから行動するほうがいいでしょう。
必ず、飛行機に乗る前にしっかりと婦人科の医師に相談してみましょう。
CAだって妊娠中に仕事?
Q&Aサイトなどを見てみると、「CA(キャビンアテンダント)だって妊娠中に仕事しているから海外旅行でも大丈夫」という意見がありますが間違っています。
JALやANAの規定によると
■妊娠確認後の勤務取扱い
妊娠確認日から事由消滅後会社が乗務復帰可能と認めるまでの間、乗務資格は一時停止する。妊娠確認にあたっては、会社へ速やかに医師の診断書を提出することを要す。また、乗務復帰に際しては、産業医の乗務可能を証する意見書の提出を要する。
となっています。
つまり妊娠している乗務員は搭乗できないことになっています。答えた人はどこからこの情報を得たのか分かりませんが、CAでも乗らないのが分かるのではないでしょうか?
ウソの情報に惑わされずに、担当の医師と十分に相談してから飛行機に乗るか決めてください。
この他にも、妊娠初期は先天性異常のリスクに注意することが大切ですよ。
妊娠初期は、先天性異常のリスクに注意!
妊娠初期のママに知ってほしいことがあります。
妊娠初期は、赤ちゃんにとって神経や心臓、背骨など重要な器官を形成する時期です。
この時期に、葉酸が不足すると、無脳症や二分脊椎などの先天性異常のリスクが高くなるという事実です。
このことは、世界的な疫学的調査で判明したことで、日本でも、2002年より厚生労働省が妊娠初期の女性に対して葉酸を積極的に摂取するように通知を出しています。
葉酸は、日頃の食事でも摂取できますが・・・
葉酸は、母子手帳に記載されるぐらい重要な栄養素です。
葉酸は絶対に必要な栄養素なので、不足しないように注意してください。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてください。
日本は葉酸が不足して先天性異常の発生率が高い水準に。
日本は、アメリカやイギリスといった欧米諸国に比べて、先天性異常の発生率が高い水準になっています。
日本産婦人科医会によると
例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメリカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状である。
つまり、アメリカやイギリスは、葉酸摂取することで。先天性異常の発生率が1/10になった。
けれど、日本では葉酸摂取が遅れていて、アメリカの8倍、イギリスの6倍になっているんですね。
日本先天異常学会が、葉酸の摂取に関して声明を発表しています。
葉酸サプリメントの摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクを減らしましょう
妊娠を計画する女性、妊娠が考えられる女性は、妊娠前4週から妊娠12週まで葉酸サプリメント 400 マイクログラム = 0.4 mg/日を摂取することで、お子さんに神経管閉鎖障害が起きる可能性が減少します。
これによると、普段の食事に加えて、葉酸サプリメントを摂取することでお子さんに神経管閉鎖障害が起きる可能性が減少と記載されています。
妊娠12週までサプリで摂取するように記載されているので、妊娠初期のママは今すぐ葉酸摂取することが大切です。
おすすめのサプリについては、下記ページで詳しく紹介しています。読んでみてください。
妊娠したら気を付けること、注意点
妊娠したら気を付けること、注意点をまとめてみました。下記ページを読んでみてください。
妊娠初期にやるべきこと、することをまとめました。じっくり読んでみてくださいね。
妊娠初期の海外旅行と被爆線量
海外旅行など長時間飛行機に乗る場合は、地上にいるときより多くの放射線を被曝することになります。国際線で人体に浴びる放射線量は10~100倍と言われています。通常より多くの自然放射線を浴びることになります。
大人では浴びた後でも回復するので問題はないのですが、赤ちゃんの場合は違います。赤ちゃんは細胞分裂のスピードが速いので放射線への感受性が高くなることが指摘されています。
詳しい研究はされていませんが、宇宙線などの自然放射線が多くなる路線、時期があるので無用の心配を避けるためにも海外旅行などはキャンセルしたほうがいいのでないでしょうか?
では、パイロットやCAはどうなるのか?ですが、これは検討が始まったばかりで結論は出ていません。通常より数倍の放射線を受けているためのリスクは未知数です。
妊娠初期の旅行
妊娠初期の旅行は飛行機に限らず新幹線や車などの移動でも同じです。
長時間の移動は、母体への負担が大きくストレスなどの原因にもなります。
また、長時間体を動かさないとエコノミークラス症候群(旅行者血栓症)を発症するリスクが高まります。血栓を起こしやすいので赤ちゃんへの影響が心配されます。
エコノミークラス症候群(旅行者血栓症)とは?
国立循環器病研究センターによると
飛行機で長時間旅行したあと、飛行機を降りて歩き始めたとたん、急に呼吸困難やショックを起こし、ときには亡くなることもある-。これが「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気の典型的なケースです。
出典:[46] 急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の話 | 血管・血液 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
こう記載されています。
長時間同じ姿勢を取ることにより、下肢(足)の静脈に血栓ができて肺などに血栓を作ってします疾患です。原因は水分不足とアルコール摂取による血液の粘度がドロドロになることが原因と言われています。
エコノミークラス症候群になりやすい人は、肥満、糖尿病、下肢静脈瘤、喫煙、40歳以上の女性などです。
対策としては、適度な水分摂取と足のマッサージがよいとされます。足のマッサージを行うことで血流が滞ることを予防し血栓ができにくい状態を作ります。
座席を指定するときは通路側にしたほうがいいでしょう。窓側は、トイレなどに立つのが難しくついトイレを我慢してしまうことも。長時間移動する際には通路側の座席がよいとされています。
飛行機での移動の自己判断は大変危険です!
飛行機での移動の自己判断は大変危険です。クリニックや産院の医師でも旅行を勧めているところはほぼ皆無です。
ここを読んでいる人の中には「妊娠初期は飛行機に乗っても大丈夫!」というフレーズを探している人もいると思います。しかし安全に絶対はないのです。
旅行のOKがもらえたとしても、それは自己責任で行ってくださいと言う意味です。
つわりがひどくて実家に帰省するなど特別な場合を除いて、妊娠初期の飛行機はやめたほうがいいような気がします。
この他、妊娠初期の症状や兆候については初期妊娠症状でまとめています。参考にしてください。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。