多嚢胞性卵巣症候群の治療

多嚢胞性卵巣症候群の治療

多嚢胞性卵巣症候群の治療

多嚢胞性卵巣症候群(POCS)の根本的な治療法は確率されていませんが、妊娠できないということではありません。

自然妊娠の確率は低くなりますが、排卵を促す治療によって妊娠する確率が上がります。内服薬で反応がない場合は漢方や注射をして排卵を促す治療をします。

POCSと診断されたからといって考え込まないほうが良いようです。そのほとんどが軽度なもので医療機関で的確な治療を受けると妊娠する可能性が上がる場合が多いのです。

多嚢胞性卵巣症候群の人の排卵を促す方法として腹腔鏡(お腹の中にカメラを入れる)手術で卵巣に穴を開ける手術や表面を焼灼する方法が取られることもあります。この手術で排卵率が良くなることが報告されています。手術後約半年から1年半で元の状態に戻ります。

多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠

最近の研究で、糖尿病の治療薬であるメトフォルミン・グリコラン・メルビンなどが排卵障害を改善することが分かってきました。こうした薬はインスリン非依存糖尿病の治療薬として使われていますが、POCSの人にも投薬され排卵、妊娠に至ったケースも多く報告されています。

※メトフォルミンとグリコランの関係はグリコランで詳しく解説していますので読んでみてください。

また、最近の研究でマイタケの成分である”グリスリン”がPOCS治療に効果があると分かりました。(レディースクリニック北浜の奥 裕嗣先生談)

グリスリンはメトフォルミンと同じような作用があり排卵障害を改善が期待されています。グリスリンは不育症にも効果があるようで、不育症の人にも投与されているようです。

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グリスリンとは?

グリスリンとは?

グリセリンとは、キノコ類のマイタケから抽出される天然由来の成分で、糖尿病治療薬のメトフォルミンと同じような働きをもつとされる成分です。詳しくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とグリスリンで説明してますので読んでみてください。

POCSの治療

POCSの治療

POCSの治療法は妊娠を希望する場合としばらくは妊娠を希望しない場合で治療法が違ってきます。

こちらのサイトにはフローチャートで分かりやすく書いてあります。

参考:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) | あみウイメンズクリニック

妊娠を希望するときのPOCS治療法

妊娠を希望するときのPOCS治療法

妊娠を希望する場合は、排卵を促す治療法が行われるのが多いようです。はじめはクロミフェン・クロミッドなどの内服から始めます。サイクル2~6日の間服用します。この時点で約50%の人が排卵します。妊娠率は10~20%です。

クロミフェンに加えてプレドニンを併用する場合もあります。これはPOCSの原因と考えられる男性ホルモンの増加を抑えるもので、ステロイド(副腎皮質ホルモン)であるプレドニンを少量使う治療法です。

クロミフェンによる内服でもうまくいかない場合、注射による排卵を促す方法が行われることがあります。しかし、POCSに対する注射の加減が難しく、副作用として卵巣過剰刺激症候群(OHSS:ovarian hyper stimulation syndrome)を起こしてしまうことがあります。

OHSSは卵巣が腫れてしまう症状があり、重症化すると入院しなければならないようになってしまいます。このリスクを回避するためFSH製剤のみを用いる方法やsporadic HMG療法が行う施設もあります。

クロミフェンについてはクロミフェンで詳しく書いているので読んでみてください。

FSH製剤のみを用いる方法
POCSの人にHMG製剤を使うとOHSSになるリスクが増えるため、FSH製剤のみを使って排卵を促す方法です。FSH製剤は、卵巣に直接働きかけて卵胞(卵子を包んでいる膜)の成熟を促すものです。最近では遺伝子組み換えによる純粋FSH製剤も登場しています。FSH製剤は自分で注射できるタイプもあり通院の回数が減り負担が軽くなります。

sporadic HMG療法
2・3日おきにHMGの注射を行なう方法です。ある程度卵胞が育ってから、必要のある人はクロミフェン・クロミッドなどの排卵誘発剤を使って排卵を促す方法です。この方法は卵巣過剰症候群のリスクも少なく排卵も起きやすいと言われています。

腹腔鏡下での手術
FSH製剤で排卵を促しても排卵が起きない場合、腹腔鏡下での手術が選択肢となる場合があります。腹腔鏡下での手術では、卵巣にレーザーや電気メスで複数の穴を開けて灼く腹腔鏡下卵巣多孔術(Laparoscopic Ovarian Drilling:LOD)があります。

この手術を行うことで排卵周期が正常に近づき妊娠しやすい状態になると言われています。個人差がありますが、半年から1年半で元の状態に戻ります。この間に妊娠できるように指導されます。

妊娠を希望しないときのPOCS治療法

妊娠を希望しないときのPOCS治療法

妊娠を希望しない場合の多嚢胞性卵巣症候群の治療は、生理不順を正常の周期に戻す療法が主です。最近では糖代謝異常がPOCSに関係することが分かってきたので、肥満や非インシュリン依存の糖尿病などを持っている人には糖尿病の治療薬なども使われるようになってきました。

カウフマン療法
生理周期を正常に戻すためエストロゲン製剤(エストリール)とエストロゲン・プロゲステロン製剤(プラノバール・ソフィアC)を内服して整えていく治療法です。

生理周期が正しくなることで排卵を促します。内服中は避妊することが前提となります。排卵を促すと同時に卵巣を休ませる意味もあるので、不妊治療中の人もカウフマン療法を行うことがあります。

高齢で妊娠を希望する場合(特に35歳以上)は妊娠できない期間が2周期ぐらいあるのでもどかしく感じるかもしれません。ですが、卵巣も休んで排卵が起こるようになると妊娠する確率も上がるので”急がば回れ”ぐらいの気持ちで治療したほうがいいと思います。

カウフマン療法明けに妊娠した人も多いので落ち着いて治療を受けるようにしましょう。

副作用として胃痛や吐き気を伴うときがあります。

低用量ピル(OC)による療法
カウフマン療法と同じように低用量ピル(OC)を使って生理周期を整えていく治療法です。カウフマン療法に比べてホルモンが少ないOCを使うので長期間服用できるのが利点です。

利点は他にもあって、OCを利用することで生理痛が軽くなったり卵巣や子宮がんを予防できたりすると言われています。

漢方薬を使う療法
漢方を使う療法は、主に冷えの改善や血の巡りをよくするものが中心となります。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、牛膝散(ごしつさん)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などが良く用いられるようです。

漢方は他の治療法と一緒に使えるものが多く、不妊治療クリニックでも他の治療法と同時に漢方薬を処方しているところもあります。

糖尿病の薬を使う治療法
POCSと診断された人の中にインスリン非依存型糖尿病を持っている人がいます。糖尿病の治療薬の中にはエストロゲン(女性ホルモン)を押さえる作用があるものがありPOCSの治療に使われています。

治療薬としてメトフォルミン(グリコラン、メルビン)が使われることが多いようです。

糖尿病の治療薬であるメトフォルミンは、血糖を下げる作用がありインスリンの過剰分泌が抑えられます。卵巣のエストロゲン産生も抑えられるので排卵できるようになり排卵障害が改善されます。

多嚢胞性卵巣症候群と診断される人の約14%は肥満になっています。(日本産科婦人科学会 資料より)

糖代謝とPOCSは深い関係があり肥満やメタボが関係しているとも言われています。BMI25以上で肥満と判定されます。この数値に当てはまる人は食事指導や日常生活を改善して25以下になるように指導されます。毎日甘いものを多く食べたり飲んだりする人も注意が必要です。

メトフォルミンについては多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とメトフォルミンで詳しく説明していますので読んでみてください。

POCSについては多嚢胞性卵巣症候群でまとめています。参考にしてください。

不妊に関係する病気は妊娠しにくい病気で詳しく紹介しています。

妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。

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